
人はそれぞれ、決して忘れられない思い出を持っています。それは、誰かとの出会いであったり、成功や失敗、喜びや苦しみ、赤面するほどのもの、涙するほどのものであったりします。それらの体験は、今の自分に大きな影響を与え、支え、励まし、戒めるものとなっています。
紅海を渡って、シナイ山で契約を結び、約束の地へと向かった旅の出来事も、民の中で語り継がれ、絶対的な神の守りとそれに対する信頼がイスラエルの人々の心に刻みつけられていきました。そしてこの救いのみわざは歴史の中で繰り返し思い出され、試練を乗り越える時の定石として積み重ねられました。
またベツレヘムで生まれ、ナザレで生活されたイエス・キリストは、カナ、カファルナウム、至福の丘、タボル山など、ガリラヤを活動の中心とされます。そして受難と死と復活の地、「新しい過越の地」エルサレムへと向かわれました。聖誕教会のベツレヘムの星(イエスがお生まれになった場所といわれる)
私たちは、旧約から新約へ、そして「今日」へと向かう旅をします。イスラエルの民の歴史とキリストの生涯をたどるこの巡礼は、「今」を生きる私たちの「過越の旅」となり、きっと忘れえぬ思い出、人生を支える生きた泉となるでしょう。
中村 満 神父
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